CODE GEASS

□Requiem
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ゼロが翔けて来た。

あれはルルーシュではない。
彼はゼロの正面で、変な服を着て、大きなイスに座ってる。

わたしの前を通り過ぎるゼロ。

あの速さ、尋常じゃない。

浮かんだのは、わたしが殺したはずの……。


「まさか…!ルルーシュのやろうとしたことって……」


気付いた。

ルルーシュのしそうなこと。


ゼロは、ルルーシュの前に着き、銃を弾いてルルーシュを追い詰めた。

…本当に死ぬ気?
…本当に殺す気?

ゼロは剣を突き刺すように構えた。

…あっ


「「やめろっ!!」」


知らぬ間に叫んでしまった言葉は、誰かと重なった。

見上げると、群衆の中から身を乗り出している青い髪の…


「リヴァル…」

目が合い、わたしがつい微笑むと、リヴァルも苦笑した。

ゼロは動きを止めて、ルルーシュのノドに剣を向けて、こちらを見ていた。

みんなの視線も わたしに集まった。


「こんなことしたって、どうにもならない…。またいずれ、憎しみと争いが起こる」

わたしは呟いた。たぶん、周りには聞こえてない。


そのときだった。


「わたしからも、お願いします…」


ナナリーだ。


「兄を…、お兄様を殺さないでください…!」



「何言ってやがる!そいつは、悪魔だ…。殺してしまえ!ゼロ!!」

どこからか誰かが叫んだ。
次々に皆が叫ぶ。

ルルーシュの兵達が銃を構えた。

人々は叫ぶ。
止める人もいた。


兵達は、銃を群衆に向ける。


「…やめろっ!」


ルルーシュの声だった。


「全員、銃を捨てろ…」

「「「「イエス!ユア マジェスティ」」」」

兵達が銃を捨てた。


「…失敗か」

ルルーシュが呟き、溜め息を吐いたように見えた。


「…みんなを解放しろ」

何か諦めたような、開き直った声に聞こえた。

兵達は素早く従う。


ルルーシュは、ナナリーの足についた枷を外していた。

「ごめん、ナナリー…」

そう言って抱き締めていた。


…何のつもり?


ルルーシュは立ち上がった。



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