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□友恋
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なぜ、その姿を追うようになったのか。



外では雪が舞っている。

大学の研究室でお茶を飲みながら、窓の外を眺めていた。

「森、どしたん?ボケっとして…」

後から声をかけられ、ハッとする。お茶もいつの間にか冷めていた。

「…雪ん中、帰んのやだなーとおもってさぁ。そっちは?講義終わったのか?早くね?」

5限目の講義が終わるには早過ぎる。

「課題終わった人から帰れるっつーから、速攻で終わらしてきた」

隣の椅子に腰掛け、背もたれに寄りかかる。

「確かにめんどいなぁ。こういう時は寮で良かったと思うね。朝もギリギリまで寝てられるし?」

こいつ、片山は大学に併設された寮に住んでいる。

「ギリギリアウトまで寝てんだろ?去年、何回遅刻したよ?」

「木岡よりマシだろ!?」

一瞬、心臓が跳ねた。
平静を装い、言い返す。

「いや、あいつは単位落とさなかっただろーが」

心臓がまだ速い。

「テストの差だよ、それは。脳みそ良い奴は羨ましーぜ。遅刻したってテストで挽回しやがる」

ピロンッ

「お、噂をすれば木岡だ。食堂で夕飯食ってるって。行くか?」

心臓が、余計にうるさくなった。

「俺は帰るよ。親がうるせーし」

「よく実家で暮らせるよなー。俺はもう無理だわ。1人は楽よ?」

食堂に行く片山と分かれ、俺はバスに乗った。


木岡は、サークルの友人。
研究室は別だが、講義は被っていたのでよくつるんでいた。

ただのダチの筈だった。

だが、ちょうど1年前。
サークルの忘年会で、あいつが酔って絡んできた。
あの時から、俺はおかしい。
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