歌姫

□Invasion
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ラクスは絶望しそうだった。

他の残された人達に声をかけてもらえたため、自分を保つことができた。



シーゲルとフレイが連れて行かれてしまった。そのダメージは大きかった。





残った帝国軍人が、近寄って来る。

爆破跡を調べていた3人だ。


淡い緑の髪の、幼い感じの少年が話し始める。


「…えっと、皆さんはこれから真っ直ぐ自宅へ帰り、数日の間はおとなしくしていて下さい」

黒髪の少年が続きを話す。

「この国の政府を押さえれば、あんた達は今までと変わらなく暮らせます。…ザラ帝国支配下に入ることにはなりますけど」


みんながざわめいた。本当に侵略を受けている、という恐怖が襲う。


今まで後ろで黙っていた紺の髪の青年が、1歩前へ出た。


「重要人物であるマルキオ導師、それからラクス・クラインは軍の車で送り届ける。…ついて来て下さい」






ラクスとマルキオは、車に乗り込んだ。


運転席には、紺色の髪の青年、アスランが座った。


「行きます…」


声をかけ、発車する。




ガタガタと、車が走る音だけが響く。


3人とも、何も話さないまま、マルキオの町の端まで来た。



そこで初めて、マルキオが話す。


「…この侵略の、目的は何ですか?」


アスランはミラーで後ろを一瞬見ると、ゆっくり話した。


「土地と人…。皇帝はそう言っている。けど、実際何を考えてるのかは分かりません」







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