妖怪怪奇浪漫
□第一話
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ヒュン ヒュン
森の中……といっても、ほぼ草原に近い場所にて、レン=ジェイルは木刀を振るっていた。
肩にかかるほどの青い髪に、赤い瞳。
一見して少女のようにも見えるその少年は、一心不乱に、かつ正確な太刀筋を描く。
「精が出るね、レン」
一人の少女がそう言いながら、レンに近づいた。
レンよりも頭一つほど背が低い少女は、セミロングの焦げ茶色の髪で、活発そうなイメージだ。
「今日も剣の修行?」
「ああ」
レンは額の汗を拭き、手垢だらけの木刀を地面に置いた。
「何か用か?」
「冷たいなあ。レンは」
少女は、ニコニコと笑いながら言った。