妖怪怪奇浪漫
□『金』は『生命』なり!
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「さっさと終わらせるぞ」
レンは、右耳のピアスに触れた。
ピアスの紅い石は発光し、光の中からエンが現れた。
エンも人型妖怪で、『火炎天狗』という種族だ。
杖による肉弾戦、炎の妖術に優れた戦闘タイプ。
「ユキ、まぁたレンに戦いを仕掛けたのかよ。懲りねえな」
エンは、ため息まじりに言った。
「うるさいうるさいうるさい! うるさぁぁぁぁい! いくよ、アクア!」
バトルが開始されようとした、その瞬間。
キーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴った。
「あ、終わった終わった。行くぞ、エン」
レンはエンを石に戻し、教室に戻った。
「レン! 逃げる気!?」
「逃げねえよ。また今度な」
レンはそう言って、校舎に消えた。
「ああもう!」
ユキは、いらつきながらアクアを指輪に戻した。
「レンのペースに流されて、言いそびれたよ……」
ユキはそう呟き、教室に戻った。