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□#1『Poisson d'avril』
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「ヤコ、ゲームをするぞ」

「…なに?唐突にそんな満面の笑みで…。嫌な予感しかしないんですけど…」

「今日は嘘を吐いても良い日だそうだな」

「………エイプリルフールね…」

「うむ。そこでだ、今から我が輩が言うことの反対の言葉を言え。我が輩が終了を宣言するまでに貴様が反対を言い続けられたら貴様の勝ち。失敗すれば我が輩の勝ちだ。そして、負けた方が勝った方の言うことをなんでも一つきくのだ」

「なにその俺様ルール…。エイプリルフールと主旨ズレてるし。やだよ。なんか絶対あんたが勝つように仕組まれてそうだし…」

「そうか…残念だな。貴様が勝ったらいつぞや食べ損ねた満漢全席とやらを奢ってやろうと思っていたのだが…いや、実に残念だ」

「満漢全席!?マジで!?やるやる!」

「よし…では始めるぞ。…朝」

「夜」

「失敗作」

「傑作」

「ドM」

「…ドS」

「貧相」

「……福相」

「愚鈍」

「………怜悧」

「嫌い」

「………っ」

「どうした?『嫌い』だぞヤコ」

「う…」

「言えんのか?ならば貴様の負けだな」

「い、言えるよっ………………す……好…き…」

「ほう…それは『本当』か?ヤコ」

「う、嘘だよ…」

「ということは『本当』なのだな?」

「え…嘘…だってば」

「だから、『本当』のことなのだろう?」

「………本当…かも…しれない…」

「フム…では、貴様の負けだヤコ」

「え!?なんで…!?」

「我が輩、まだゲームを終了したと言った覚えはないからな。『本当』に対して『本当』と答えた貴様の負けだ」

「そんな…!やっぱりどう足掻いてもあんたが勝つんじゃん…」

「さて、では約束通り、言うことをきいてもらおうか」

「うぅ…理不尽だ…」

「そこに座れ」

「(あぁ…激しくDVの予感…)」

「よし。そのまま動くなよ」

「……って、ネウロ何してんの!?」

「…貴様のその目は飾りか?貴様に構っていて疲れたから眠るのだ」

「だから!なんで私の膝の上に頭乗っけてるのっ!」

「なんでも言うことをきくのだろう。我が輩は寝る。わかったら大人しくその貧相な身体を貸せ」

「〜〜〜〜っ!ネウロっ…!」

「………」

「もう寝てる…」

「………」

「(私に構うのが疲れるなら最初から構わなければいいのに)」



Fin.

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