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□#4『桂木弥子の育児日記 その3』
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こんにちは。
桂木弥子です。

どうやら一人遊びが下手なリドルの最適な遊び相手。

考えてみたらちゃんといるじゃないですか。

「…なんだ。何か言いたそうだなワラジムシ」
「私が学校行ってる間リドルの遊び相手しててほしいんだけど」
「ふむ。いいだろう」
「え!?いいの!?」

断固拒否されるか筆舌尽くしがたいDVが始まると思ってたのに…。
なんか意外…。

「よし。では弄んでやるぞ」
「ちょ…遊ぶの字がなんか違う気が…」
「ちちうえ、あそんでくれるのか!?」
「あぁ。たまには父親らしく振舞ってやる。こちらへ来い、チビ」
「わぁい♪」

本当に意外です。

まさかこんなに素直にリドルの相手を快諾してくれるなんて…。

「って、ちょっと!なんで窓開けてるの!?なんでリドルを外にぶら下げてるの!?」
「見てわからんか。こうするのだ…」

ぽーん

「たかいたかーい」
「ぎゃああああああ!ホントに高ぇぇぇぇ!どこまで投げてんのよ!?」

急いで窓の外を見上げたけど、リドルの姿は既にどこにも見当たりません。

じ、自分の息子を全力で投げやがったこの魔人…!

「ふむ。軽く中間圏付近までといったところか」
「成層圏突破しちゃってるじゃないのぉぉぉ!」
「大丈夫だ。仮にも魔人がそれごときでは死なん」
「そういう問題じゃないでしょ!?」
「そら。そろそろ戻ってくるぞ」

遥か宇宙の境目から戻ってきたリドルを片手で受け止める大きな魔人。

「ちちうえっ!おそらがきれいだったぞ!」

そして、これでもかというくらい満面の笑みの小さな魔人。

魔人って…魔人って…。

「ふむ。そうだろう」
「ちょ、ちょっと!危ないじゃない!」
「なんだ。喜んでいるのだから問題なかろう?」
「あるよ!大ありだよ!あんた自分の息子でしょ!?もっと大事に扱いなさいよ!」
「やれやれ…うるさいセミだ。ならば低ければいいのだな?」
「え…う、うん。…って、なんでまた窓の外に…!?」
「ひくいひくー…」
「ちょっとぉぉぉ!だからって下に投げようとするなぁぁぁ!!!」

そもそも魔人なんかに頼ろうとした私が間違いでした。

やはり、リドルは私が面倒を見なければ駄目なようです。

…明日の欠席理由は何にしよう…。



Fin.
 

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