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□勇気をくださいT
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薄茶に銀の虹彩のあいつの瞳が、まるで星のようだと思った。
『君がシブヤ・ユーリ?』
かなり豪華なマンション(いや、億ションていうのか?)で、自分を出迎えた人物を見て、有利はアングリと口を開けた。
親父のヤツーッ!!!!
外人だなんていってなかったじゃんか!
高校を卒業し、この春念願の大学生になった有利は、本当なら一人暮ししたかった。
だが
「一人暮しー!?とんでもない、可愛いゆうちゃんがとんでもないヤツに狙われたらどうするんだ!」
という父勝馬と兄の勝利の反対によりそれは叶わなかった。
…男に可愛いはないだろ可愛いは
大学の近くにあるというマンションに知り合いが居るからと勝馬のすすめでここにきたのだが。
出迎えてきたこの男をみて思わず息を飲んだ。
見た所年は兄の勝利と同じ20代前半、ダークブラウンの柔らかそうな髪に人好きしそうな微笑、筋肉質ではないがしなやかで鍛えられた身体。
派手ではないが整った顔立ち
はっきりいってカッコイイ…
「ああごめん…えと、ユーリでしょう?ショーマの息子の…」
今度は日本語で話しかけられた。
しまった!動揺してる場合じゃない!
「あ…はい、渋谷有利デス…!」
つい畏まってしまった有利に男はふわりと笑って答えた。
「初めましてユーリ、俺はコンラート・ウェラーどうぞよろしく」
いって彼が差し出した手を有利は赤くなりながら握った。