恋華
□Love Me Tender
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その言葉を聞いたのは偶然だった。
「例の件聞きましたか?驚きましたな」
「ウェラー卿のことでしょう?全くです」
村田の学校のプールから久しぶりにスタツア&慣れない会議に出席した後、俺はある場所に向かう為近道しようと藪の中を突っ切ろうとしていた時だった。
「よもやあの男が「風の終わり」の鍵だったとは…!」
聞き覚えのあるの2つの声が近づいてきて、俺は思わず木陰に隠れてしまった……あいつら確かシュトッフェル子飼いの上級貴族だ(グェンダルが教えてくれた)
「口惜しい…!箱と鍵がこの眞魔国に揃ったら世界を手に入れる事も可能でしょうに……むざむざ大シマロンなんぞに奪われてしまうとは……!」
……なに考えてんだか、こいつらは
男たちは俺に気付かず話を続ける。
「……いっその事……」
男の声になにか嫌などす黒いモノが宿る
ヤツに刺客を送り込んでやりましょうか
俺の心臓がドクンと跳ねた。
「腕を切り落とし、鍵を手に入れてしまえばあやつに用はない……いっそ…そのまま屠ってしまえば……」
もう一人の男が言った
「とんでもない、それでは次代の鍵を継ぐ者が手に入らなくなるではありませんか?」
「おぉ、そういえばウェラー卿にはお子がいない……さて、どうしたものか」
心がどうしようもなく凍えていく
心がどうしようもなく乾いていく