恋華

□kiss物語
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空はとても蒼いのに、目の前の女性はとても辛そうな顔をしていた。


想われていたのは正直嬉しい、でもその気がないのに応えることは、出来なかった。


目の前から去って行く女性をコンラッドは複雑な気分で見送った。


「相変わらずモテモテだねぇ、隊長?」


「……覗き見とはいい趣味だなヨザ」


振り向きざまに悪態をつく幼馴染にヨザックはワザとじゃないですよと言った。

「不可抗力ってヤツですよ。上司に報告に行く途中でたまたま聞いちまったの…勿体ねぇことするなぁ、結構可愛い感じの子だったのに……でもまぁ……あの子に限らずあんた目当ての子は泣きを見る事になるだろうけどな…そうだろ?
だって……」

ヨザックは意味ありげな目でコンラッドを見た。

「あんたが好きなのは陛下だもんな」

「………」

一瞬誤魔化そうかとコンラッドは思った。
だが古い付き合いのこの男には何を言おうがバレバレだろう。

だから事実をいった、決して言うまいと思った一つの想いを


「あぁそうだ、俺はユーリを…あの方を……」





堪らないほど愛してる



 
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