NARUTOの話
□奈良シカマル(28)
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ここは火影室。火影の机には書類が山となっている。それを処理する人影二つ。
カリカリカリカリカリカリカリカリ………
パサ…ポン…パサ…カリカリポン…パサ…
「ナルト、大名からの書簡こっちに混じってんぞ」
「お、マジ?回してくれってばよ」
…カリカリカリカリ…
一つは木ノ葉の里七代目火影うずまきナルト。彼はたくましい身体を丸めて、書類に判子を捺している。
…パサ…カリカリカリカリ…カリカリカリカリ…パサ…
「なぁなぁシカマル。この案件、資料足りてないと思うってばよ」
「あ?…足りてねえな。明らかに」
「どっかその辺に落ちてない?」
「散らかり過ぎて分かんねぇよ」
バサバサバサ…ピラッ…
「あったー!!俺ってスゴくね!?」
「相変わらず付いてんな」
もう一つは木ノ葉の里所属・特別上忍奈良シカマル。もっぱらデスクワークをしている。
カリカリカリカリカリカリカリカリ…
パサ…カリカリ…ポンピラッ…
この話はシカマルを主人公として扱うことにする。
(えーとなになに…K地区の断水事故調査経過は順調っと…木ノ葉病院の拡張ってイノのヤツ最近頑張ってんな…特別上忍奈良シカマルの上忍師昇格および担当下忍候補について…功績も大したもんだし実力もあんな…認可っと…特殊任務第3576号…暗部!?俺が処理していいのか?…アカデミー卒業生についての詳細情報…)
「ナルト、こっちの山終わったぜ」
ドサッとシカマルは“山”を決済済みの箱に入れた。
その“山”にナルトは待ってました!!とばかりに飛び付いた。
ビビるシカマル。
「あの書類はどこだってばよ〜」
「ひょっとして暗部の」
「違うってばよ」
「じゃあ断水事故の」
「違うってばよ」
「病院」
「違うってばよ」
「どれだよ」
「これだってばよ〜!!」
「な、なんだ?」
(えーと、特別上忍奈良シカマルの上忍師昇格と担当下忍候補について…って)
「はああぁぁっ!?」
「っつーわけだから。」
「なにが“っつーわけだから。”だよ!お前が一人でデスクワークできるわけねーだろ!!」
喚くシカマルにナルトは七代目火影としての顔で宣告した。
「奈良シカマル。貴殿を本日より第十班付き上忍師に任命する」
「ちょ、待てよナル」
「復唱はどうした?」
「…」
「火影命令だってばよ」
「…奈良シカマル。本日より第十班付き上忍師に就任します…」
ナルトは満面の笑みを浮かべた。