NARUTOの話

□STAND BY ME!
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日付が変わって自分の誕生日になった瞬間、耳をつんざく標的の断末魔。

……嫌な一日になりそうだ。

と思ったがその日は何事もなく、無事に里に帰還できた。

翌日が厄日だったのだ。


2008ゲン誕〜ゲンちゃんお誕生日おめでと〜


人生色々な上忍待機所。
扉を開けたところでゲンマは固まった。
いつもちょっとした小山を作る自分へのプレゼントが全部。

「開封済みってどーゆーことだ!?」

珍しく声を荒げたゲンマの声に、窓辺のボックス席からの酒精が答えた。

「あれ〜、ゲンマ。意外に早かったね〜」
「日持ちしなさそうなのは片付けておいたぞぅ!!」
「アンタもこっち来なさいよ。このブランデーいいわよー」

酔っ払った上忍師三人が囲むテーブルには、無惨に破り捨てられた包装紙、林立する空き瓶、食い散らされた菓子等が。

「……」

無言でトレードマークのくわえ千本を噛み締めるゲンマ。
その肩を、廊下を歩いてきた髭クマこと苦労性アスマがぽんと叩いた。

「わりぃな、オレには止められなかった」
「あの人達止められるのは火影様くらいでしょう」


二人同時にため息をついたのが気に入らなかったのか、数本の空き瓶が宙を飛びだしたので、嫌々二人は席についた。

「で、アスマさん。その段ボール箱はなんすか」

アスマは、先ほどゲンマの肩を叩いたのとは逆の腕に、段ボール箱を担いでいたのだ。
段ボール箱自体は一般的な普通のものだが、その中からは甘い匂いが漂ってくる。
その香りをかいだ酔っ払いの内、若干一名が顔をしかめたので、素面の二人は少し溜飲を下げた。

「追加だよ……」


しかしアスマの声は疲れをうかがわせる口調で、昨日からこの調子でパシリに使われていたことが予想された。
合掌したゲンマは、この酔っ払いどもが早く任務に行けばいいと願った。


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