NARUTOの話

□もしもあそこで紅が来なかったら
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「結婚することにした。仲人やってくれねえか」


アスマがそう言ってカカシを見ると、普段眠そうに半分閉じてかかっている右目どころか左の写輪眼まで見開き声も出ない様子だった。
沈黙と気恥ずかしさに耐えられずにアスマがうろうろと動き始めた頃、ようやくカカシは掠れた声を発した。


「けっこん?な……こうど?」


自分の声にはっとなって正気を取り戻すと、カカシは早口に問答を始めた。


「誰が結婚するんだ」

「オレに決まってる」

「誰と結婚するんだ」

「紅だ。……子供ができたらしい」

「誰の子供だ。……こどもー!?」

「オレと紅の子供に決まってるだろ。あれ?おい、カカシ、戻ってこい!!」


アスマにがくがくと肩を揺すられ、あまりの出来事に呆然と漂った魂を引き戻されたカカシはやはり呆然と呟いた。


「できちゃった婚」

「うっ。ま、まーな。だがまあいいんだ。責任とかじゃなくて、オレは紅を幸せにする」

「紅のご両親には?」

「挨拶済みだ」


テレテレとアスマが頭を掻くと、クラクラする頭をカカシは抑えた。


「信じられん」

「だが事実だ」

「……」

「でだ、カカシ」


黙ってしまったカカシに、更にアスマは言う。


「仲人やってくれねえか」

「仲人……」

「式の日取りも、まだ決まってないんだがな」

「式……けっこんしき……」

「お腹の子供に障るかもしれないから、なるべく急がないとな」

「おなかのこども」

「任務のスケジュールとかも考えて、他にも何人か頼むけどな」

「……」

「ガイにゲンマに……まあ、一応五代目にもな」

「……」

「カカシ?」

「ちょっと……考えさせてくれ……」


脳みそが受けた衝撃をいまいち処理しきれていないカカシの様子に、アスマは苦笑して言った。


「期待してるぜ、カカシ」

「ああ……」

「なんなら、スピーチでもいいぜ」

「ああ……」

頭を抱えるカカシを残してアスマは立ち去った。

アスマが消えてからもしばらく唸っていたカカシだったが、一つ深呼吸をして、ふと窓の外を見た。
雀だろうか。二匹の小鳥が寄り添って木の枝に留まりさえずっている。


「まあとりあえず、おめでとう、と言っておくべきかな。こりゃ」


多少落ち着いた様子でカカシは言った。



おまけ。

カ「アスマ、こち亀で読んだんだが仲人って夫婦がやるもんだぞ」

ア「なにぃ。(なんつー偏った知識だ。)じゃあお前もガイもゲンマも五代目すらダメじゃねえか」

カ「ここは親いのしかちょうトリオのどれかに……」


ア「まともな式になるといいんだがな……」


カ「単なる宴会になったりして……」



END
アスマー!!(;□;)じょば〜〜〜。
こち亀読んだのは私です。

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