NARUTOの話

□月夜
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「カっカシ先生ー!」

忍とは思えないような大声と足音を響かせて、無遠慮な弟子が扉の前に立つ。

「今日はなんの日か知ってるー?」

どんどんと扉を叩く音とご近所を顧みない大声に辟易して、ナルトが更に何か言う前に玄関を開けた。

「こんな時間になんか用?」

こうこうと明るい月光の中、ナルトは芒を一抱え持って、影分身に戸を叩かせていた。

「今日はなんの日だ!」

影分身が煙を立てて消え、本体のナルトがニシシと笑って問うてくる。
オレは昼間散々言われ続けた言葉を告げた。

「オレの誕生日だ」

なぜかナルトは固まった。
笑った顔はそのままに、動作と雰囲気が凍りついている。

「ナルト?」

大量の芒を気にしつつナルトの頬をつねると、まるでカラクリ人形のように一度跳ねた。
オレのほうが驚くよ。

「う、うそ。カカシ先生今日誕生日なの?」

「じゃあお前なにしに来たの」

慌てるナルトに芒を指差しながら問うと、ナルトは腕の中の芒を見下ろした。

「九月十五日だから」

「……ん?」

「十五夜だから、月見」

「……ナルト」

「……」

「ナルト。今日は十五夜じゃないぞ」

その後しばらく沈黙が続いたが、いつまでも玄関につっ立っているわけにもいかないので、とりあえずナルトを中に入れた。


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