NARUTOの話
□誕生日という名の日常
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「イ〜ルっカせーんせ〜!!」
第七班が任務結果を報告しにアカデミーに足を踏み入れた瞬間、ナルトは受付に座るイルカの元へと突撃していった。
「ナルト!」
迎えるイルカは、やんちゃな教え子が自分に一目散に駆け寄ってくるのを見て、満面の笑みを浮かべて呼び掛けた。
「怪我とかしなかったか?」
「草むしりなんだからどーやったって怪我しないってばよ」
「いや、分からんぞ。お前はカカシさんも認める“意外性ナンバーワン忍者”なんだからな…っつーか忍者が任務の内容喋っちゃダメだろ!」
「イルカせんせーツッコムの遅いってばよ」
イルカとナルトは受付の机を挟んで楽しげに会話をしている。
そこに第七班の残りの三人がやって来た。
「イルカ先生、第七班の本日の任務、無事終了しました」
カカシは、イルカとナルトの姿に向けて晒した右目に笑みを浮かべながら報告書を卓上に提出し、確認お願いします。と呟いた。
「あ、はい、了解しました。お疲れさまですカカシさん」
「どーも」
イルカはカカシにそう言うと、教本通りの整った字で埋められた報告書に目を通しだした。
まだ喋り足らなさそうなナルトをサクラが羽交い締めにして黙らせる。
「イルカ先生の仕事の邪魔でしょ!しゃーんなろー!!」
「さ…サクラちゃん…くるし…ってばよ…」
「うっさいナルト!!アンタ暫く黙ってなさい!!」
「…っ………かはっ」
ナルトは失神した…フリをした。
しかしサクラはそれを見破った。
「死んだフリなんてバレバレよ!!バカナルト!!らっしゃー!!」
「…さっすがサクラちゃん!オレの見込んだ女の子だってばよ」
ナルトとサクラが騒いでいる間、サスケは黙ってカカシの傍らに控えていた。
「はい、結構です」
「どーも」
報告書提出のピークが来たのか、並びだした受付の列を脱け出して、第七班は部屋の一角を陣取った。
「じゃ、お前ら解散。明日も今日と同じ時間に集合な。遅刻厳禁だぞ〜」
と子供に向けて号令を掛けたカカシは、ドロンと姿を消した。
「遅刻すんのはいっつも先生の方だってばよー!!」
元気につっこむのはナルトだけで、サスケとサクラは諦めて何も言わない。言っても無駄だというのは、最初の一週間で学習済みだった。
これは、昨日と全く同じというわけではないけど、日常。