NARUTOの話

□水影様!
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ことり、と物音を聞いた。

一気に覚醒する意識。布団の中でクナイを握る。

今はまだ入り口に立っている。淡い息づかいと、柔らかい香水の香り。


  くノ一?いや、素人か?


わざわざ自分の位置を知らせるような行動を取る相手の真意が掴めず、オレは出方をうかがった。

ゆっくりと、オレに向かって迷わず進んで来る。罠があるのかどうかさえ確認しない様子だ。

あと一歩、というところでぴたりと相手は止まった。オレは警戒する。

しかし相手は予想以上に素早かった。


「!?」


突き出したクナイは手首を絡め取られる事で止められ、逆の手は肩を抑えられる事で動きを封じられた。


「はたけ カカシ」


鈴を鳴らすような声でオレの名を呟いた侵入者は、馬乗りになった状態でオレの顔を覗きこんだ。

カーテンを透かしてベッドに落ちる僅かな雪明かりが、その美しい横顔を照ら出した。


「水影……様?」


オレは信じられない思いで間近に迫った瞳を見つめた。


「どういう、おつもりですか?」

「野暮な事聞かないで……」


手首を極めていた手が滑るようにクナイを取り上げた。

体を堅くするオレに微笑み、彼女は手にしたクナイを少し弄んだあと、刃先を上にして床に落とす。

クナイは軽い金属音を立てて転がった。


「戦いに来たわけじゃないの」


だから武器はしまって?そう囁き、彼女はオレの左瞼に口づけた。


「!!」


相変わらずの間抜けな音を立てて影分身が消滅する。

一瞬驚いた表情を浮かべ、くすりと笑って彼女は言った。


「照れ屋さん?」


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