NARUTOの話

□雨
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ヒトゴロシの報告書を書いている、オレ。
机に向かってペンを走らせ、黒い血で文字を生む。


嗚呼、ここに書かれるシシャ達は何をしてきたんだろう。
考えていいことじゃない。遺した心の闇に捕まるから。
一度ペンを止め、感覚を閉ざす。


何も感じない何も思わないオレは里のコマ。
歪に歪んだ、負荷に耐えかね麻痺した心で呟いた。


三代目のタヌキ爺の顔を思い描いてみる。……効くわコレ。
一瞬で色を無くす脳内。落ち着いたので閉じていた感覚を戻した。

いつの間にか目を閉じていたらしく、視界が映すものもないまま音だけ先に返ってきた。

「あ……」

雨の音。何も干してなくてよかった。何も洗ってないけど。

「…………」

目を開けたら書きかけの報告書が見えた。しかもペン先が紙に着地していて、その部分がインクで黒く、無視するには大きすぎる点になっている。


死にたくなるよ、なるだけだけど。
四時間くらい雨に打たれようと決めた。


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