REBORNの話
□たけよしくんのおはなし@
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――大きくなったな。
誰?
――顔、あいつにそっくりなんだな。良かった。
なんのこと……あっ、どこ行くの。
――おやすみ、武吉。
……おやすみ(なんでだろ。すごく安心する)。
「おーい、そろそろ起きろー。いい加減遅れるのな。」
「え……、わわわっ!親父っごめん。」
「ほらほら、1日のはじまりは並盛牛乳と、」
「朝のあいさつ!おはよう親父!」
「ん。おはよう武吉。顔洗ったらメシな。」
「うんっ。」
洗面所までダッシュしながら、夢に出てきたあの人(…ていうかあの声?オレは目をつぶったままだったから、声以外なんにも分かんなかった)は誰だったのか考えた。
(……ん。分かんねえなー。やっぱ知らねー人かな。)
ざぶっと顔に水をかけて、鏡を見つめる。
(あいつにそっくりって、親父のことかな。まあ、どっから見ても一緒だもんなー。)
目の色は違うんだけど。緑なんかより親父みたいな黒が良かった。
1度それを口にしたら親父がすげー悲しそうな顔をしたから、もう言わないけど。
「顔洗うのにいつまでかかってんだっ。」
「あいてっ。」
突然頭を殴られてびっくりした。時々、オレの親父は気配がない。
「あーもうメシ食う時間ないぞー。熱があるのか?ボーっとしてるぜ。」
「いやそんなことないって!あのさ、ひょっとして昨日誰か家に来た?」
「いーや、来てないぜ。……なんだ、恐い夢でも見たのか。」
「違うって。ただ、なんとなく気になっただけだよ。」
そう。ただ、なんとなく。これから忙しくなるのに、こんなことにかまってられない。
昨日オレは13才になった。
今日からオレは中学生だ!
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