REBORNの話

□たけよしくんのおはなし@
1ページ/1ページ




――大きくなったな。

誰?

――顔、あいつにそっくりなんだな。良かった。

なんのこと……あっ、どこ行くの。

――おやすみ、武吉。

……おやすみ(なんでだろ。すごく安心する)。





「おーい、そろそろ起きろー。いい加減遅れるのな。」

「え……、わわわっ!親父っごめん。」

「ほらほら、1日のはじまりは並盛牛乳と、」

「朝のあいさつ!おはよう親父!」

「ん。おはよう武吉。顔洗ったらメシな。」

「うんっ。」



洗面所までダッシュしながら、夢に出てきたあの人(…ていうかあの声?オレは目をつぶったままだったから、声以外なんにも分かんなかった)は誰だったのか考えた。


(……ん。分かんねえなー。やっぱ知らねー人かな。)


ざぶっと顔に水をかけて、鏡を見つめる。


(あいつにそっくりって、親父のことかな。まあ、どっから見ても一緒だもんなー。)


目の色は違うんだけど。緑なんかより親父みたいな黒が良かった。
1度それを口にしたら親父がすげー悲しそうな顔をしたから、もう言わないけど。


「顔洗うのにいつまでかかってんだっ。」

「あいてっ。」


突然頭を殴られてびっくりした。時々、オレの親父は気配がない。


「あーもうメシ食う時間ないぞー。熱があるのか?ボーっとしてるぜ。」

「いやそんなことないって!あのさ、ひょっとして昨日誰か家に来た?」

「いーや、来てないぜ。……なんだ、恐い夢でも見たのか。」

「違うって。ただ、なんとなく気になっただけだよ。」


そう。ただ、なんとなく。これから忙しくなるのに、こんなことにかまってられない。

昨日オレは13才になった。

今日からオレは中学生だ!



.

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ