REBORNの話

□初恋からしてアンタだった。
1ページ/1ページ




無論オレにだってガキの頃があった。

ジッリョネロの一員として、ボスに引き合わされた時、恐いもの知らずの当時5歳のガキ大将は一種の戦慄を覚えた。

俗に言う一目惚れだったと思う。



それからせっせと彼女の元に通いつめ、ガキはガキなりの方法で気を引こうと必死だった。

具体的に言うと服やら髪を引っ張ったり、女が嫌がるだろう虫を持って行ったりしていじめようとした。

ところが彼女はオレより歳上でずっと強かったから、スカートを捲ろうものなら華麗に回し蹴りをかまされたし、髪を引っ張ろうとすれば逆に前髪をむしられ、芋虫をプレゼントしたら口の中に返品された。

(おかげでオレは未だに芋虫が苦手だったりする。あの口の中で蠢く柔らかい感触が忘れられなくて。)

そんなこんなで彼女の部屋を追い出されるオレは、いつも擦り傷打ち身に若干血を滲ませ、半泣きの状態が多かった。

屋敷のメイドや幹部の女達がそんなオレを楽しそうに手当てしている中、めげずに次の手段を考えていた当時のオレは本当に健気だったと思う。





[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ