QUIZ MAGIC ACDEMYの話
□落し物の日記
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4月○日
アタシが部屋の扉を開いた瞬間、既に中にいた金髪の女子が、自分の大量の荷物を床にぶちまけているのが見えた。
この時アタシは、この女が嫌いになった。
「わたくし、シャロンと申します。アナタのお名前はなんとおっしゃいますの?」
文章に表せばすごく丁寧な感じ。でも実際の口調は超!!高飛車。
アタシは自覚してる。自分がかなり短気な事を。
でもアタシは気力を総動員して笑顔で言った。
「ユリって言うの。よろしく、シャロン」
そしてこの次のシャロンのセリフをアタシは一生忘れないだろう。
「ユリ?凡庸な名前ですわね。まあ所詮庶民ですからしようがありませんわ。良家の子女であるわたくしがアナタごときと同室など大変不愉快ですが、高貴なるわたくしと同室になる権利を得たのはアナタの幸運と思って許可しましょう」
一字一句。あの憎たらしい表情。絶対忘れてやらない……。
アタシはシャロンの行動全てを邪魔する事を自慢の髪に誓った。
4月×日
そんなワケでシャロンが好きらしいセリオスに近付いたんだけど……。なんか……セリオスってカッコヨクない?
これはシャロンに渡すには惜し過ぎるわ。こうなったら、アタシがセリオスをゲットしないとね。
安心して!セリオス!
アタシが守ってあげるから!!
パタンッ―――
「……ヤバい」
レオンは“落し物の日記”を見つけた事を後悔した!!
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