QUIZ MAGIC ACDEMYの話
□怪奇
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――さわやかな朝。
「ん……」
いつものように、僕は日が昇るくらいにぼーっとしつつ起きて、学校へ行く準備を始める。
「よし……と」
いつものようにシャワーを浴び、髪をふきながらいつもの作業に入る。
「レオン!起きろ!レオ……!?」
そこにレオンは寝ていなかった。それどころかシーツはきっちり畳まれていて、いつもその辺に放ってある制服すら見当たらない。
「こ……これは悪い夢だ!!こんなことが起こるはずが……!!」
「……ん?」
僕が奇行をしている間に、レオンが部屋に入ってきた。
「おはよう、セリオス。……どうしたんだい?そんなこの世の終わりみたいな顔をして」
つっこみどころが満載だ。頭の隅の隅の隅にナノマイクロ単位で残っている冷静さでつっこんだ。
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「オレは……いや、私は生まれ変わったのだ」
寝癖まみれで方々に跳ねまくっていた赤い髪は綺麗に撫でつけられ、オールバックに。
ビシッと決まった制服に、最近流行の太いフレームの眼鏡(だてメガネ)をかけ、分厚い魔術書(図書館の。朝一で借りてきた)を抱えたジェントルマン。
「僕の目がおかしくなったのか!?レオン、なんてヘンテコな魔法を編み出したんだっ」
「何を言うんだセリオス!!君の目は正常だ。昨日までの私が間違っていたんだ!!」
僕はふらふらと鏡を見た。いつも通りの僕の後ろに新生レオンが映っている。
「うそだあああ!!」
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とりあえずこのまま学校へ行くしかない。どうするかは……考える。
そんなこんなでロマノフ先生の授業なのだが……。
「ではレオン、この問の答えは?」
「はい(キラーン)。27km/M(1MPで27`進むこと。cf.1gで27`進むこと)です」
輝く眼鏡がうざいほど眩しい。頭に衝撃を与えたら元に戻るだろうか(涙)。
僕は頭を抱えて机に突っ伏すしかない。
「セリオス……セリオス?」
「なんだ」
横からつつかれて顔を上げる。ああ見たくない。目を泳がせていると、
「気分でも悪いのかい?いつも優等生で背筋も伸びてる君が居眠りなんて……保険室に連れて行ってあげようか?」
ぞわ〜!!っと全身に鳥肌が立った。
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翌日レオンはもとに戻ります。