NARUTOの話

□聖バレンタインデー
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ウチの名前は多由也。十五歳。現在片想い中。
ヤツの名前は奈良鹿丸。十五…じゃねぇ。十六歳。現在不特定多数と交際中。


ウチは今、喫茶店に居る。理由は…で、デートだ!大変だったんだぞ。並居るメスブタどもの中からコイツ引っ張ってくんの…。砂高のメスブタ(手鞠)、音高のメスブタ(琴土)、木ノ葉のメスブタ(山中いの)、会社員のメスブタ(香美羅)、etc...。なんたって今日は二月十四日。…聖バレンタインデーだからな。

「おい、ウマシカ」
「あのな、オレ、シカマルなんだけど」
「ウマシカ、このクソ問七が解けねえ」
「問七?…あ〜、座標平面上に円C:xの二乗プラスyの二乗イコール一がある。C上の点A(二分の√三、二分の一)におけるCの」
「黙れウマシカ」
「はぁ…」

コイツはヤル気ゼロ男だが信用できる。とりあえず、宿題については。

「解けたか?」
「まぁな」
「ウチの解法のどこが間違ってる?」
「…ブフッ」

なんでかコイツは突然吹き出した。失礼なヤツ。

「なんで笑う、ゲスチンヤロー!テメー、ウチにケンカ売ってんのか!?」
「や、違う…ブハッ」

ウチは拳を固めた。

「わっ待て待て。恐ぇーよ、怒んなって。…ククッ、簡単なミスだぜ」
「だからそれが分かんねぇんだよ!とっとと吐け、コラッ!」
「落ち着けって!…符号が逆なんだよ、ココの」
「あ!?」

本当だ。+と−が逆転してる。しかも一番最初の計算で。

「コレじゃ、いつまで経ってもデキねぇよな…ククッハハハッ」
「…」


「ありがとうございました。オアツイね、鹿丸。愛が痛いね〜」
「そんなんじゃないっすよ。でも愛はともかく痛いっす」

二人で喫茶“山の案内人”を出る。コイツは店長と顔見知りなのか、顔パスだった。

「イッテーな…何も殴らなくてもいーだ…ろっ!?」

ウマシカの胸ぐら引っ付かんで
キスしてやった

閉じた扉の向こうで皿が破れる音がした。

「今のでチャラにしろ。釣りはバレンタインデーに消費だ」
「……☆!?」
「返事は明日。…ウチの誕生日に貰う。…テメーに拒否権は無い」
「あ、ああ?」
「Noは許さんからな、…シカマル」

言ってウチは帰路につく。目を白黒させたウマシカ…改めシカマル残して。


「…明日が楽しみだな…」

呟いたのは皿を破った店長(畑案山子)だった。

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