NARUTOの話

□喫茶“山の案内人”
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喫茶“山の案内人”

カランカランカラン
ガラス張りの扉につけられたインターホン代わりの鳴り物が鳴った。

「いらっしゃいませ〜」

入ってきたのは初めて見る顔の学生さんだった。きっちり結い上げた髪とは対照的に、やる気…というか色んな気が抜けた表情の少年。歳の頃は16、7、8…くらい?木ノ葉アカデミー高等部の制服を着ている。

「表の看板見て来たんすけど」
「?(看板なんていつ出したっけ)」
「バイトしに来たんす」
「バイト?」

もう一度少年の姿を頭の先から足の先まで見直す。その間に看板とバイト募集について思い出そうと努力する。
看板を出したのは…ああ、そうだ。覚えてる。今朝、開店時に外に出した。
しかし、バイトの募集…?
全く覚えてない。

「ちょっと待ってて」

俺は表に出ていった。


件の看板はすぐに見つかった。当たり前だ。俺が置いたんだし。まだ31だってのに、これ以上忘れてたらボケだ。
しかしその募集要項がどこにもない。
看板は学校の黒板を小型化したような感じで、メニューを書いた紙や開店時間を記した紙、目の前に店があるのになぜか地図が描かれた紙、あとは黄ばんで何が書いてあったのか読めないどころかゴミにしか見えない紙などが張り付けてある。

(さすがに一回張り直さなきゃならんな。でもアルバイト募集なんてどこにも……)

ピンクのエプロン着けて喫茶店の前にしゃがみこむ俺。後から思い出すとけっこう恥ずかしい。だって道行く人が俺のこと指差してたから…。


なかなか戻ってこない俺を心配したのか、先ほどの男の子が店から出てきた。

「どうかしたんすか」
「んー…俺、バイトの募集なんて出した覚えないんだよね」
「でもそこに貼ってあるっすよ」

言われてもう一度看板を見てみる。やっぱり俺にはわからない。

「これこれ」

ケンカとかは全くしない感じの細長い指で一枚の紙を指し示す。
黄ばんだ紙…かろうじて、かつては字が書いてあったことが判らなくもない。しかしこれは…俺は読めん。

「…」
「わかります?」
「…読めないんだけど」
「アルバイト募集中。時給700円。勤務時間はPM4:00〜PM8:00。16歳以上男女問わず。連絡は店長まで」
「なんで読めんの」
「解読すんのに5分はかかったっす」
「物好きな…」
「はぁ…」

この紙に覚えはないが面接くらいはしてもいいかな。
この子、面白そうだし。
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