NARUTOの話
□ななのつき、はつかあまりみか
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7月23日午前1時13分
片付けを全て終わらせ、二人は床についた。
カカシがサスケに話しかけ、暗い室内で互いの首から上だけを確認する。
「サスケ、誕生日といえばもう一つすることがある」
「…今度はなんだ」
黒い髪がサスケの顔を隠し、表情は伺えないが、カカシは構わず続ける。
「これもオレの先生がやってくれたことなんだがな」
「…手早く済ませろ」
「もうちょっと付き合え」
視界の隅に写るカカシの目元は、過去を懐かしがっているようにサスケには思えた。
「サスケ」
カカシは自分の布団から脱け出し、サスケの顔を正面から見下ろした。
「誕生日プレゼント何がいい?オレにできることならなんでもいいぞ」
「…」
この時サスケは答える術を持たなかった。
「…お子様には体力が無いんだったな。ま、よく寝とけ」
修業中の激しい体術訓練のため、睡魔には勝てなかったのだろう。
夜が明けたら希望を聞いてやるよ
と囁いて、カカシも眠りに入った。
その晩は、楽しく、悲しい、過去の夢を見るのだった。