NARUTOの話

□熱中症
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夏のある暑い日のこと。

キン という冷えた音に昼寝から目を覚ましたオレは、のそのそと布団を抜け出して部屋を見渡した。

昼間の光が障子越しに差し込んで薄明るく、部屋はいつも通りで、あの音の正体が掴めなかった。

その後、蝉の声に紛れてまた聞こえた キン という冴えた音を目指して、オレは部屋を出た。





庭先で父さんと知らない人が手合わせをしていた。

オレは母さんの仏壇のある和室の端までにじり寄って、ぼうっとその様を見ていた。



真夏の太陽がさんさんと照り付ける中、二人は手にした刃物を打ち合わせ、右に左に動き回っている。

自らに振り下ろされる刃を受け流し、あるいは避け、めまぐるしく変わる立ち位置。

足は砂利の上を滑るように進み、踏み入った池の水を蹴散らした。

二人とも白っぽい浴衣を着流していて、術は遣わず獲物だけを振るい続けている。

父さんはいつものチャクラ刀を使い、見知らぬ相手は長い刀身の剣を使っていた。

交わる刃は時に拮抗し、火花が小さく光る。

音は、時々響く キン という響き以外はほとんど聞こえなかった。

ただ光を反射する刃の白さだけが目についた。

その二振りは白く白く
輝いて。



ふと気が付くとオレは廊下に出ていた。

目の前に光と影の境界線が在って、オレはその線を越えることができなかった。

二人はオレの入れない白い領域に存在していた。

とおい と呟いて、オレは目を閉じた。







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