龍が如くの話
□妄想の極。
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第二印象
身の危険を予感しつつ1年ぶりに再会したこの男は、あれだけ全面に溢れさせていた“狂犬”の顔をどうやって押し込めたのだろうと内心首を捻るほど“人間”の顔をしていた。
手ずからは受け取らないだろうと、距離を置いて床に突き立てた鬼炎のドスに目もくれず、まともに(とは言い難いが)言葉を交わしてくる真島に正直驚いた。
河原の住人に変態と噂されていても、1年前そして11年前までのあの狂気が鳴りを潜め真島からは変わってしまったように見え、だから。
「お断りや。」
そう真島が言った時、やはりこの男の根本は変わっていないと。
そして気付いていないのではないかと不安を抱くほど存在を無視していたドスを引き抜き愛しそうに刀身を撫でた時、やはりこの男は狂っていると。
「どうや、桐生チャン。カッコエエやろ!」
1年前と違い、何が切欠だったのか黒く澱んでいた隻眼を輝かせて。
「アンタだけは読めねえ。」
心底そう思った。
*
2で桐生チャンが真島の兄さんと再会した時。こんなこと桐生チャンが思ってたら萌える。