短編集「紅蓮」

□螺旋階段〜彼女と彼の関係〜【完】
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私がお化け関連苦手だって知ってるくせに!
「わざとでしょ?ねぇ・・。」
目を細めてコウの腕を掴むと意地悪そうにコウはとても喜びながら

「バレてしまったか。うおっ」
仕返しに脇腹をこちょばしてしたら、そこが弱点らしくコウはしゃがみこんだ。

「あはは・・。」勝ち誇った顔で見下ろしてると急に立ち上がってコウも同じくこちょばそうとした。
しかし、勢いで起きあがったのでコウはバランスを崩して

私にもたれかかってきた。
細いからだとはいえ、長い身長を支えるのに大変で私たちは傍からみれば抱き合っているような体制になっていた。

コウは突然のことで動揺し目を大きく開き「わ、ごめんっ」と急いで離れた。
私もつられて「ごめん。」と言ってしまった。

少しの沈黙が流れていく。

「ひとがいなくてよかった・・もし知り合いに見られてたら誤解されるとこだったね!」
わたしは焦ってなにを言ってるのかわからないくらい早口になった。

「・・・・・。」

思いつめたようにコウは黙りこくっているので心配になる。

そんなにショックだったのかコウ再び塞ぎこんでしまった。



「だいじょうぶだってこんなのハグのうちに入らないから。」

「・・・・。」


「みやび・・俺好きな人いるんだけど当てて。」

唐突な質問に私はなにも考えないで同学年のとびっきり可愛い女の子を5人くらい名乗り上げてみた。
しかし、どれも反応はなくて無性に答えを見つけたくなった。

「じゃ、中学か小学のときの子かなぁ?」

なかなか当てられてない私に深いため息をつきながらコウは立ち上がる。

「ヒント、お前がよく知ってるやつだ・・。」

「へぇ?だれかな〜え〜・・・。」

「まったくそれにも気付かないなんて鈍感すぎだな。」
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