短編集「紅蓮」
□僕と宇宙人【完】
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「イッター!まさか、あそこで電気パックがきれるなんてな…。」
煙がムンムンと出ている謎の機体から現れた少女。
独り言なのか?
ここに落下したときに頭をぶつけたのだろうか、両手でおさえていた。
「宇宙人かっ!」
と僕は未知なる世界に踏み出すことができるかもしれない期待感と変な生き物に連れ去られるかもしれない恐怖感でごちゃ混ぜになっていた。
僕ははっきり言ってオカルトには全然興味がない。
大学一年生で文学科を専攻しているからって言っても現実とファンタジーは相反するものなりっ!
断じて日常生活に「もし」なんてことはないと信じてきたのに、ここで覆すような事態が起きてたまるか。
てかっ「これは夢だっ」
僕は少し興奮気味に自問自答した。
すると少女は煩そうに僕の側まで寄ってきた。
「怪我している少女に大丈夫ですか?の一言ないのか?人間。」
まるで見下すかのような態度。