過去短編小説
□ハロー@アゲーン
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目覚めると悪夢が待っているのかもしれない―――――…
【ハロー@アゲーン】
チャ〜ラ〜ラ〜ッ チャッチャ〜ラ ラ〜ラ〜ララ〜〜♪
「……う〜ん…」
(ウルサイな〜…。朝っぱらから音楽鳴らしてるの誰よ…)
軽快なリズム、少し懐かしいメロディ調。この曲は確か……
(……カーペンターズのTop Of The World?)
曲名がわかった途端、それがケータイの着メロだと気が付いた。
あたしはベッドサイドにあるケータイに手を伸ばす。未だに鳴り響いているケータイの通話ボタンを押して、耳に当てた。
「…もしも〜しぃ……」
まだ夢現だったあたしは、ケータイから聞こえてきた声で眠気が吹っ飛んだ。
『おはようミミちゃん』
「空さん!? 一体どうしたの?」
ガバッ! と起き上がってケータイを握りしめたあたしに、空さんは『ちょっとね…』と意味深に(ケータイ越しで)呟いた。そんな空さんの言い方にあたしは最悪の事態を予想した。
「…まさかデジモン関係?」
『え? 違うわよミミちゃん。デジモン関係じゃないわ』
あんまりにもアッサリと言われてしまい、あたしは肩に入っていた力が抜けるのを感じた。
「じゃあ、一体…」
『ミミちゃん……』
いつもより低めの真剣な空さんの声に、あたしはゴクリと喉を鳴らす。
『カラオケに行きましょう』
その瞬間、あたしは思いっきりベットサイドへと額をぶつけた。