過去短編小説
□ファースト・ラブ 〜インパクト〜
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「なんかさあ、八神先輩と武之内先輩って仲イイよな。ひょっとして付き合ってるとか…」
「はあ? あんた馬鹿ね。あの二人が仲良いのは幼なじみで親友同士だからよ」
「へえ、そうだったのか。俺はてっきり恋人同士なんだとばかり」
「あんたってホント噂には疎いわね」
あの二人は付き合ってるのよ!
そう言えたら、どんなにスッキリすることだろう。こんな重大な事実、一人で抱えるには荷が重過ぎるわ。
【ファースト・ラブ 〜インパクト〜】
なぜあたしが八神先輩と武之内先輩が付き合っていることを知っているのか。それは数日前に遡る。
――数日前。丁度学校が休みの土曜日。
運動部でもないあたし、赤木 珠美(あかぎ たまみ)はその日、学校へと来ていた。