novel

□blue tears
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今日は久々に仕事も無い。



家に帰ったら、詩を考えよう。



もっとあの御方に届くための歌を作らなければ…





「あっ…!!」


大気が突然声を上げたので、隣に歩いていた夜天は体をびくつかせた。



「な、なに!?」



「机の中にノートを忘れて…」



「ノート?」



思いついた時に書き留めている歌詞ノートを机の中に忘れてしまっていた。




すると大気は体をUターンさせて言った。



「夜天、すみませんが学校に取りに戻るので、先に帰っていてください!」


「えっ…ちょっと…」



大気は夜天の言葉も聞かず、来た道を戻って行った。


















「私としたことが、忘れ物なんて…」



学校に着き、小走りで教室に向かう。




1ー1の教室のドアを開けると、窓際に1人の少女がグラウンドを眺め、立っていた。



夕日に照らされた髪は水色に輝いて見えた。





「水野さん…?」



大気の声に亜美が振り向いた。



「え、大気さん!どうして…」



「私はちょっとノートを取りに…水野さんこそどうしたんですか?クラスも違いますし…」



大気は机の中のノートを探しながら言った。




「あたしはまこちゃんを待ってるんです。なんでも料理部でケーキを焼いてるらしくて、試食させてもらうんです。」



「木野さんを?…あぁ、そういえば近々ケーキを作るとかなんとか、月野さんが騒いでいたのを聞きましたね。」


「本当はうさぎちゃんも試食させてもらうはずだったんだけど、家の用事で帰ってしまって…一番楽しみにしてたのに残念がってたわ。」



亜美は困った表情で微笑した。



「そうですか…」





2人とも話す事が無くなり、暫し沈黙が流れた。














すると‥





『♪♪〜♪〜♪…』





沈黙を破るように亜美の携帯のメロディーが流れた。
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