novel
□crazy for you(後編)
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お昼休みになり、うさぎ達は日当たりの良い裏庭でお弁当を食べることにした。
「なんかあった?うさぎちゃん。」
まことが、珍しくお弁当に箸が進んでいないうさぎの顔を覗き込んで聞いた。
「悩み事なら聞くわ、うさぎちゃん!!」
「そーよ!何があったか言ってみ!!」
亜美と美奈子も箸を止め、うさぎの言葉を待った。
そうだよね…
みんなにも伝えておかなきゃ…
「あのね‥」
暫くした後、少し顔を赤らめながら、うさぎの口が開いた。
「あたし、…セイヤの事が好きなの。」
「うん」
「‥え゛っ?」
三人共、全く驚きもせず真顔で答えたため、返ってうさぎの顔の火照りが冷めた。
「わかってたよ、うさぎちゃんが星野くんを好きだってこと。」
まことがそう言うと、
「ていうか、私達が気づいてないとでも思ったわけ〜?何年付き合ってるのよ!バレバレなのよ、うさぎちゃんは!!」
美奈子は軽くうさぎをど突いた。
「な、なんでぇ!?どおしてわかったの!?」
「だってねぇ〜?」
美奈子が亜美に答えを求めると、亜美は笑顔で
「だってうさぎちゃん、星野くんといるときが一番楽しそうに笑ってるから‥」
「え‥?」
そうだったの?
‥セイヤといるのが当たり前すぎて‥
みんなにはそんな風に見えていたの‥?
「そ、そっかぁ///」
なんだか照れてしまう。
「で、うさぎちゃん。どうするの?」
「衛さんの事もあるだろ?」
美奈子とまことは真剣な表情で聞いた。
「うん。まもちゃんと‥会ってくる。…それで、ちゃんと話をつけてくる。
そうしないと…セイヤには会っちゃいけないような気がするから…」
「それがいいわ。うさぎちゃん。」
亜美がうさぎに同意する。
「うん」
まことも頷く。
「しっかし、まもちゃん、まもちゃん言ってたうさぎちゃんが星野くんを好きになるとはね〜、アイドルには興味無いと思ってたのに…星野くん、頑張ったんでしょうね(笑)」
美奈子は星野のうさぎに対する日々のアタックぶりを思い出しながら言った。
「ぇへへ…///」
「ま、でもさ!うさぎちゃんがたとえ誰を好きになってもあたし達は応援するよ!!」
「頑張って、うさぎちゃん!!」
まことに続き、亜美にも応援され、少し涙ぐむうさぎ。
「まこちゃん‥ぁみちゃん‥」
「そーよ!!あたし達は他の誰でもないうさぎちゃんの幸せを願ってるんだから!!」
美奈子がうさぎの肩をポンと叩く。
「みなこちゃぁ‥ぅ〜‥みんなありがとぅ」
「な〜に涙ぐんでんのよぉ〜そんなんじゃ‥ぅぅ〜‥なんか嫁に出す気分だわっ!!」
「おいおい2人とも〜;」
今にも泣きそうな2人を見て、呆れながらも笑ってるまことと亜美。
そうして昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴った。