カクテルドール

□〈レモネード〉
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〜〈レモネード〉〜

授業も終わった夕方の学校。
グラウンドから部活動に励む生徒達の声が時折響く生徒指導室に二つの人影があった。
栞那とその担任教師上田の姿だ。
「おい滝谷、お前何で呼ばれたか分かってるな?」
「…さぼった事?」
「それだけじゃ無いだろ?」
「それどういう意味?」自信有りげに話す上田の態度に栞那は少し眉を潜める。
「もう分かってるんだ。隠す事は無いさ」
「だから何を隠すって…」
そう言った瞬間上田の右手がひらりと動き、目の前のテーブルに一枚の写真が置かれた。
「…なっ」
「これ滝谷だよな?」
「な…んで…上田が持って…」
明らかに動揺を隠せない栞那。
そこに置かれたのはこの間のホテルでの出来事を写した写真だった。
「…返してっ」
「嫌だね」
妖しい笑みを浮かべながらテーブルから写真を摘み上げ、それをまじまじと見つめる上田。
「お前生意気だし何やってるか分かんないとこあったけどさ、こんな事してたとはな」
「…っ」
「でも良く撮れてるよ。この足の開き具合とか…表情もまあまあだし…」
そう言うと上田は笑顔を張り付けたままの顔で、栞那にゆっくりと近付いた。

「これ廊下に貼って置こうか?」
「…やめて…」
「どうしようかな…」
冷たく光る瞳。
この時栞那は、上田が教師である前に男であるという事を改めて感じた。
「…どうすれば…いいの?」
「お前の方が分かってるんじゃないのか?」
「………」

もう教師の物とは思えない上田の表情。
そして既に張りつめている昴まり。
栞那は静かに目を閉じ、自ら下着を脱ぎ始めた。
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