おお振り

□居場所
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見て





俺を



見て





お願い





ここにいるよ






ここだよ






俺はちゃんと





みんなが見えるよ









ねえ




みんなには俺が







見えないの?








居場所








「ひっ……ひぐっ…」



薄明るい太陽の光が顔に当たり、目を覚ます三橋。いつもの日曜の朝と変わらないはずなのに、夢の世界から飛び出してきた三橋は鳴咽を漏らしていた。


三星の時代。まだ三橋が中学だった時の夢。とても寂しく、恐ろしい夢。三橋の最大の精神的外傷だった。



「……っひ……て…み…て…っ」



目に貯まり次から次へと溢れる涙を拭っても、夢の中から抜け出せない三橋はブツブツと何かを呟いていた。





しばらくベットの上にうずくまり、動けなかった。ようやく何かが切れたかの様に体をムクッと起こした三橋は、そそくさと部活の準備を始めた。




その日は朝から部活。三橋はまるで魂が抜けたように黙々と準備していく。


自転車で学校へ向かう。





「おはよ!三橋!」



三橋の姿を見つけた栄口がすかさず声をかけると、いつものようにビクッと肩を震わせた。目をふよふよと泳がせながら小さく「お…おはよ」と返事をする。

ただいつもと違うのはどこか恐怖か何かを感じているように栄口には見えたことだ。


栄口は少し首を傾げると、再びグランドへ向けて歩きだした。










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