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□憂鬱バレンタイン
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時は如月の十四日、バレンタイン。
言うまでもない女子の戦争である。
最近では友チョコに押され気味ではあるが、未だ告白のイベントであることに変わりない。
しかし、男子の側からすれば、関係ない者はとことん関係ないのである。
「…さすがバレンタイン、学校中がチョコの臭いでいっぱいだな。」
源は自分の教室に向かいつつ思わず軽く鼻を押さえた。
正直、こういう行事は苦手で、できれば関わらずにスルーしたいと常々思っている。
「おや?そこにいるのは源じゃありませんか。」
肩を落として歩く源の後ろから勝ち誇ったような顔をして平が話しかけた。
手にはいつものカバンに加えてもう一つ別の袋を持っている。
その中身は言うまでもない。