書庫壱号室
□『想いのカタチ』
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テマリはキョトンとしながら此方を見ていた。
「…あぁ、そう言えば… 最近アイツの顔を見ていないねぇ」
そう言いながら、テマリの視線は空を泳いでいた。
「まぁ… アレだ! えっと〜;; お前の兄さんは、色々と勉強中で忙しいんだよ!」
テマリは、それだけを言い、じゃ、おやすみ!!
と、そそくさ退室してしまった。
「……勉強中? 何か試験でも受けるのか?」
俺は、テマリの言葉の意味が理解出来ず、暫し考え込んだ。
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一方、カンクロウはと言うと…
先日、テマリが置いていった本を、どうしてくれようか…と、悩んでいた。
勿論、中身は拝読済みだ。
「くそ…。こんなモン、読むんじゃなかったゼ……… なんだ、あの世界は?!」
余りにも内容が壮絶だった為、頭が混乱してしまう。
と、その時。
誰かがドアをノックした。
―コン コン…
「あ? ドウゾ〜〜」
テマリめ…
文句の一つや二つ言ってやらなきゃ、気が済まねーゼ、こりゃ。
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