書庫壱号室

□『遊戯』
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いつの間にか、俺の心は我愛羅でいっぱいになっていた。

あの晩、我愛羅に好きだと言われた時、きっとそれよりも以前から俺も好きだった。

だが、弟だからとか、里の兵器だからとか、色んな理由をくっつけて揉み消して来た。

何より、この我愛羅が他者との関わりを持とうとしなかった事が、こんな俺への答えだと思っていた。

だから嬉しかった。

嬉しかったんだ…


「はぅ、な にを…?」

「…我愛羅のココ、すげぇ反応してるじゃん」


俺は我愛羅の男根を布越しに摩った。

額の愛の字がわからなくなる程に顔を紅潮させた。

スル スル…

徐々に衣服を下ろしていく。


「や…」

「我愛羅、すまねぇ…我慢出来そうない…」


やがて我愛羅の男根もあらわになった。

まだ汚れのない、透き通るようなその白さからは到底似つかわない透明な露がぷっくりと溢れている。

すかさず俺は其れを口に含む。


「ひぁ!!?」


我愛羅が弱々しく小さな悲鳴を挙げた。

未だかつて体験した事の無い感覚にブルッと身体を震わせる。


「な、んだコレは…」

「こないだ見た本の“情事”ってヤツじゃん」


俺は、それだけを言うと再び我愛羅にしゃぶりついた。

初めはゆっくりと輪郭をなぞる様に舌を這わす。

時折、根元までくわえ込みまた先端まで吸い上げる。

やがて我愛羅の腰が、同じリズムで上下に揺れた。

我愛羅がギュッと眉間に皺を寄せ、俺の髪を鷲掴んだ。


「な、んか…来る!」


動きを止めろ、と悲願して来たが、俺は耳を貸さなかった。

因り動きを早め、軽く歯を立て甘噛みをする。

口の中で、我愛羅の男根が一層膨張した。

と、同時に白濁とした欲が放たれる。


「あ! ぁあ、 んはぁ…」


我愛羅の身体が小さく跳ねる。

目には生理的な涙を浮かべて。




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