光の女神伝説
□Turnー9
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ペガサスに案内され、着いた先はデュエルリングが見渡せる場所だった。
「…!海馬君…」
すでにそこには海馬が立っていた。ペガサスはひかるを残し、デュエルリングへと下りていった。
「ペガサス…!」
「どうやら優勝決定戦の参加者も、わたしの城に集まったみたいですね」
「ん…?…!」
ペガサスが上を見上げ、海馬もそちらへと目を向けた。
「海馬君…」
「遊戯…あれからこの城に辿り着いたのか、フン、さすがだと言っておく」
(どうやら遊戯ボーイ、どうしてもユーはわたしと戦う運命にあるようですね)
「さあ、我々のデュエルを始めましょう海馬ボーイ」
すると海馬はアタッシュケースから小型の機械を取り出し、ペガサスへと投げ渡す。
ペガサスは反射的に受け取り、ひっくり返したり転がしたりして海馬の反応をうかがう。
デュエル・ディスクだと説明する海馬…するとペガサスは…。
「デュエル・ディスクでのデュエルを受けてもよいですが、わたしの代わりにディスクを投げる者を用意しマース」
「なに…?」
「それでその者にはわたしの指示通りカードを出すようメモを渡しておきマース」
「…あの野郎!」
上で見ていたパンデット・キースは、小さく呟く。ペガサスはちらりと彼を見ると、海馬へ視線を戻す。
「それでもゲームをすることに変わりはありませんね?」
「ペガサス…貴様…!ー対ーで俺と戦え!」
「わたしの代りにこのディスクを投る者を連れて来なサーイ」
彼がそう言うと、黒服の男が後ろからやって来た。
「!!」
「あれは…」
「モクバ!」
海馬が名を呼ぶも、モクバは何もしゃべらず、うつろな目で兄を見上る。
「モクバ…」
「モクバ君…」
「なんか様子が変じゃない?」
杏子が何かに気が付き遊戯達もモクバを見た。
「ペガサス…モクバ君に何を…」
「どうしました?海馬ボーイ、モクバボーイと会えて嬉しくはないのですか?」
「ペガサス!」
「フフフ…モクバボーイの魂はちゃんとこのカードに封印してありマース」
「!!」
(((カードに封印!?)))
ひかるは身を乗り出し、モクバをみつめる。
(…本当だ、魂は今…あのカードに…まさかそれが、千年眼のカ…!?)
「フフフ…ユーの目の前のモクバボーイは魂の抜殻…わたしの言う事だけは聞きますけどね」
「!」
「海馬ボーイ、ユーがわたしに勝つ事が出来たら、カードに封印したモクバボーイの魂は解放しマース」
「ペガサス…貴様!!」
(ペガサス…なんてことを…!)
ひかるは拳を握りしめ、ペガサスをみつめた、その瞳はどこか怒りと悲しみの両方の光をおびていた。
「さぁモクバボーイ、わたしの代りにデュエル・ディスクを投げるのデース」
「ま、持て!」
「おや?どうしました海馬ボーイ、ユーの希望通りデュエル・ディスクで、デュエルが出来るのですよ?」
「(この俺に…モクバと戦えというのか…?)それだけは、出来ない…」
「海馬君…」
「…わかった、ペガサス…デュエル・ディスクは使わない」
「…モクバボーイ、ユーの愛しい兄サマは、残念ながらユーとは戦いたくないようデース」
「……」
モクバを黒服の男が連れていく、ひかるはテラスから離れ駆け出した。
(ペガサス…モクバ君を利用して海馬君をも…なぜ?なんでそこまでして…)
急に足を止めたために、半分実体化していたシャインは彼女にぶつかってしまった。
《ちょ…どしたのよ》
「ん…大切な人の為だったら、なんでも出来るのかなって…」
《……》
「わたし…わたしは…」
†