光の女神伝説
□Turnー8
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『…じゃあ、あなたが持っているのね?千年秤と千年錠は』
『ええ…』
『そう…なら、預かっていてはもらえない?』
『あなたが望むのならば…』
『ありがとう、シャーディ』
『…しかし、ファラオの記憶を呼び覚ますには七つの千年アイテムだけでは足りない…』
『そうなの…?』
『他に重要な、鍵がある…』
『重要な…鍵?』
『…あなた自身の記憶は…?』
『わたし…わたしは…第18王朝のファラオに仕えていたこと、千年アイテムを七つ集めた時、大いなる力が蘇る…そして千年アイテム誕生の地、クル・エルナ村の存在…それだけは覚えている』
『……』
『…ファラオの記憶が戻れば…わたしは別に…』
「…ん……夢…?」
ひかるはゆっくりと体を起こす。
「…目覚めてすぐ、シャーディと会った時の…」
しばらくぼんやりと、ゆっくりと思考を巡らせる。
「……!!あ、れ?…わたし…?」
《ひかる!よかった!目が覚めて…》
「シャイン…わたし」
《紅茶よ!多分睡眠薬…》
「!!そうだっ!…やられた…」
《でも、メイドさん達にひかるの事頼んでペガサスはどっかいっちゃったし…》
「そっか…」
《……》
「?どしたの?」
《いや…うん》
「?」
シャインの反応に首を傾げながらもひかるはベットから下りた。
「……!?な…」
《あー…メイドさんが着せてたよ、ソレ》
「ちょ…///」
《似合うよ?ドレス》
「そーゆう問題じゃなくて!」
《ペガサスの趣味?》
「…後で撲っちゃる」
《キャラ違くなってるって》
白と水色のロングのドレス…あちこちにフリルが付いていて、戸惑いながら傍にあった鏡を見る。
「う〜…///なんか…動きにくい…だいたいなんでこんなカッコ…洋服…」
《あ、メイドさんが持っていっちゃった》
「えっ!?着替えらんないって事!?」
《だね…》
「…『だね』じゃなくてっ!」
《だってわたしだけじゃどうにも出来ないもん》
「…う〜」
裾を引きずりながら、彼女は窓際に向かう。
「…明るいってことは…一晩寝てたんだ」
《疲れも重なったんじゃない?》
「かも、ね…"力"使ったし」
しばらく外を眺め、ソファーへと腰掛けた。
「おとなしくしてるしか、ないか…呼ばれた要件、聞いてないし」
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