光の女神伝説

□Turn-1
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〜昼休み〜


「あの…神風さん」

 午前の授業が終わり、一息ついたひかるへかかった声。

「あ、武藤君」
「うん、ボク武藤遊戯…あの…よかったら一緒にお昼食べない?」

 少し照れくさそうに頬をかきながら彼は言う。

「お昼?うん、いいよ」
「ホント?じゃあ屋上に行こうよ、ボクの友達がいるんだ」
「うん」

 ひかるは鞄から弁当を取り出し席を立ち、遊戯と共に教室を出た。







「…神風さんってさあ…」
「ん?」
「デュエルやるの?」
「えっ?」

 遊戯の言葉に彼女は足を止め、遊戯を見る。
 彼も少し前で立ち止まった。

「いや…さっきチラッとデッキケースが見えたから…もしかしてってさ」
「!ああ…」

 よくわかったな、と思いながらもひかるは右の腰辺りに手をかけ、カードの束を取り出す。

「デッキはあるよ、でもデュエルはやったことない…」
「え、やったことないの?」
「うん、やる相手いないし…それに女の人でデュエルやってるの見たことないし…」
「そんなことないよ!」

 彼は力を込めて言う。

「ボクの友達にね、杏子って女の子が居るんだけど、デュエルやるんだよ!結構強いし…」
「へぇ…そうなんだ」
「だから…大丈夫!早く屋上行こう?」
「…うん!」

 遊戯が駆け出し、ひかるも後を追いかけた。















「おまたせ、みんな」
「おっせーぞ遊戯!って…お?」
「あのね、神風さんを誘ってたんだ」
「なるほど…オレは城之内克也だ!よろしくな!ええっと…」
「神風 ひかる、よろしくね、城之内君」

 彼女は笑顔で挨拶をすると、金髪が特徴的な彼は少し頬を赤らめた。

「俺は本田ヒロトだ、城之内とは古い付き合いだ、よろしくな神風」
「わたしは真崎杏子!ちなみに遊戯とは幼なじみなんだ!」

 リーゼント頭の本田に続き、みんなのお姉さんのような雰囲気を持つ杏子が自己紹介をする。

「よし、自己紹介も終わったことだしメシにしようぜ!!」
「うん、神風さんはここ座りなよ!」

 遊戯に促され彼女は杏子の隣へ座り、遊戯は城之内達がいる方へと座った。

「腹減った〜!」

 コンビニ袋からパンを取り出してかじりつく城之内に本田。
 ひかる達は銘々の弁当箱を広げ食べ始めた。

「ほういやびゃくらは?(訳:そういや獏良は?)」
「城之内!!食べながら喋らないでよ!」
「…ひゃい(訳:はい)」

 その光景を見てひかるは杏子はお姉さんだなと認識した。







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