光の女神伝説

□Turn-4
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「そんな…酷い…」
「そのせいで城之内君が」
「気にすんなって遊戯、だが許せねぇのは遊戯の大切なカードを投げ捨てやがったあの野郎だ」

 城之内の視線の先には眼鏡をかけた小柄な少年がいてニヤニヤしながらこちらを見ている。

「あれは…確か大会優勝者の、インセクター羽蛾…」
「うん…(羽蛾君…ボクは絶対に許さない…)」



「決闘者の諸君、あの城の城門が集合場所だ」

 黒服の男が島の中心に高くそびえる城を指差した。

「あれが…ペガサスの城…」
「おーしっ!いくぜっ!!」



















「あれ…?」

 城への階段をしばらく登った所で杏子が足を止める。

「どうしたの、杏子」
「獏良君が…」

 森の方を指差して言う。

「獏良君…?」

 杏子が指し示す森に目を写す彼ら、しかしそれらしき人影は見当たらない。

「…あれ?気のせい…かなぁ…」
「ホラ…いくぞ?」
「う…うん」

 本田に促され、森から目を離し階段を登っていく杏子、しかしひかるはじっと森へ目を向けていた。

(まさか…千年リングの意思が…千年眼を…?)
「お〜い!ひかるっ、置いてくぞ〜?」
「!」

城之内の声で彼女は我にかえり走って階段を登っていった。








 城の前にたどり着き、しばらく待つと黒服の男が現れる。

「諸君、今からペガサス様が直々にデュエルのルールを説明する」
「!」
「…おい、いよいよペガサスの登場だぜ」

 門の上のつき出た部分へ赤いスーツを身につけたロングヘアーの男が現れる。

(…あの人がペガサス…!千年アイテムを持つ者…)

 ひかるはぎゅっ、と拳を握り締めた。

(ペガサス!じーちゃんの魂を封じ込めた闇の力を持つ男)


「(フフフ…来ましたね、遊戯ボーイ)ウエルカム!ようこそ決闘者の王国へ!」

 沢山の歓声が上がる中、ペガサスはルールを説明し始める。
 その間ひかるはペガサスを見つめながらひたすら考えを廻らせていた。

「──では決闘者の諸君、健闘を祈ってイマース!」

 ルールを説明し終えたペガサス、と…ふとひかるは彼と目が合う。

「!…」
(…なるほど、あの少女が…確かに彼女の心は読むことが出来ない…まさか遊戯ボーイと共にくるとは思っていませんでしたが…)

 ペガサスは視線をずらすと男に何か言い奥へと消えていった。







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