光の女神伝説

□Turnー15
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 決闘に勝負がつくと、男は膝から地面へとくずれた。

「…はぁ、一体…何が…」

 倒れた男へ近寄ろうとしたその時だった。


『へぇ…思ってた以上に強いみたいだね…まぁ僕の神の前では無力だけど…』
「!?…その声は!」
『覚えていてくれたみたいだね、僕の事』
「あの時の…」
『そう、最後の千年アイテムを持つ者…僕はマリク』
「マリク…」
『どうあっても君は僕の邪魔をしてくれるようだね…だったら、ファラオより先に君を始末するまでさ…』
「!」
『あ、そうそう…この男から君のデュエルは全て見させてもらったよ、それじゃあね…』
「っ!マリク!!……」


 闇の気配が消え、ひかるは立ち尽くした。



「……」
《ひかる…》
「わからない…マリクは何故ファラオを…?」
《バトル・シティ、勝ち上がるしかないんじゃない?きっとマリクも…》
「…そうね」
《それよりも気をつけて、さっき奴はファラオより先にって言ってた…きっと何か仕掛けてくるよ》
「うん…」






 彼女は倒れた男をなんとか起こすと近くの壁へ寄りかけ、パズルカードを持ってその場を立ち去った。





























「……もうすぐ童実野町に到着する…その前に…」
「人形を動かすのですか?」
「ああ、このために前から奴を配置しておいた…」



 童実野町へと向かう船の上から町を眺める一人の青年…手にした黄金の杖―千年ロッドに力を込める。






―動け―

 童実野町の広場に佇む一人のパントマイマー…人々が見つめる中、ぴくりとその目を動かし、見ていた者を驚かせる。


―走れ―


 肩から下げたカバンからデュエル・ディスクを取り出すと腕へと装着し、人々の真上を飛び越すと、どこかを目指して走っていった。






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