虹色の勇者−テレジア編

□fate-2
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「あら、いらっしゃい」
「女の人…?クラトスって人じゃなさそうだね?」

 リオルとモルモは街の中のある建物へと入った、出迎えたのは一人の女性。

「わたしはリフィル・セイジ…見掛けない顔ね、あなたは難民かしら?」
「えっと、そういうわけじゃないんだけど」
「それでは、何か依頼ね?」
「依頼?いやいや違うよ!オイラ達チェスターって人に言われたんだ、行き場が無いならクラトスって人を訪ねてみろって、アドリビトムって言えば話が通じるって」
「アドリビトムへ入りたいって事かしら?クラトス、新参希望者が来たわよ」

 女性−リフィルが声をかけると奥から一人の男が現れた、腰には剣が下がり一目で剣士とわかる。

「…腕が立つようには見えないが…仕事を任せる気にはなれないな」
「クラトスってこの人?」
「彼がクラトス・アウリオン、この街アイリリーのアドリビトムリーダーなのよ」
「ねえ、仕事って何?アドリビトムって何をやっているの?」

 モルモの問いにリフィルが説明を始めた、アドリビトムとは表面上ギルドの形をとっているが『人々を守る』為に作られた自治組織だと。
 しかし、街の統治者『ガンゼル』がギルドを廃止したため表立ったものではない、と。


「ガンゼルが街の全てを取り仕切って交易の自由すら無くなっているわ…商人は姿を消し、街の住民はガンゼルの手下が調達してきた物のみをわずかに手にすることしか出来ない…わたし達は困っている街の人々の為に必要な物を調達しているの」
「…って事は、街の外に出る方法があるの?
ねぇ!どうすればいいの!?」
「それは教えられない、街の人間の為に働く物に我々は協力する」
「申し訳ないけれど、今ガンゼルに街と外を行き来している事をうかつに知られる訳にはいかないの」
「うー…じゃあ!入る!アドリビトムとやらに入るぞ!」
「駄目だ、生半可な気持ちでは勤まらない」
「う…」

「……どうすれば、認めてもらえますか」
「リオル…」

 リオルは真剣な眼差しを、クラトスへ向け、問う。

「そうか、やる気はあるようだな…お前にそれだけの技量があるか試させてもらう…組織に入れるかはその後だ」
「試すって何を?」
「街の民からの依頼を確実に成す事が出来るかをだ」
「むむむ…」


 その後、世界樹の麓で会った少女、カノンノに再会し、彼女からギルドの仕組みについて詳しく説明を受けた。
 そしてリオルとモルモはアイリリーアドリビトムに所属する仲間に挨拶をしにギルドを後にした。




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