虹色の勇者−テレジア編
□fate-2
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「ん…?なんか騒がしいなぁ」
「…?あっち…かな?」
「待てー!あやしい奴め!スパイ容疑だっ!」
「げっ!しっつけぇ〜、こうならぶっ飛ばして…」
「多勢に無勢よ、手配書でも作られたら下手をすれば街全体を敵に回すわ」
「じゃ、じゃあどうすんだっつの!」
「…ここに隠れましょう」
「嫌だねっ!お気に入りの靴が汚れちまう」
「……勝手になさい、捕まっても知らないから」
「あーもう!なんだってんだよ!隠れればいいんだろ隠れれば!!」
リオルとモルモは物影からそっと様子を伺った。
(……二人組?)
「どこだ?向こうか?」
兵士が駆けてきたために反射的にリオルも身を隠す。立ち去ったのを確認すると、二人組が隠れたであろう場所に近寄った。
「あ…」
「行ったみたいね…あら、ごきげんよう」
「ごっごきげんよう?」
思わずモルモはそう答えた。
「さっさと行こうぜ!」
オレンジの髪の青年に促され、二人に声をかけた長い髪の女性は青年を追い掛けて走っていった。
「……」
「変な人達…なんだか追い掛けられてたみたいだけど?」
「…多分、ガンゼルのせいだよ、きっとね」
「…さ、オイラ達も行こう!」
「うん」
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