Vampire can't cry ブック

□T.
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もうすぐ…
月が双つに別れる



「大丈夫か?」



「…あ……シックス…」



そっと頭を撫でてきたシックスの手は大きくて温かい


「明後日やったっけ?」



「……………うん。でもシックス達の為に頑張るから…」



泣きそうな顔を見られまいと膝に顔を埋める

そんな様子を見てシックスは何も言わず後ろからジブリールを抱き締めた




「下に行ったら当分会えれへんからな…」


そう言って私の頭の上に顎を乗せてくる
シックスのさらさらの黒髪が頬を擦ってくすぐったい



その状態のまま何も喋らないで座っていると後ろから声がした







「ジブリール!」


名前を呼ぶ声が聞こえた次の瞬間シックス越しに背中に衝撃が襲ってきた

「っ…!痛いわ…セティ」

「シックス僕もジブリールと一緒にいたい」




そう言うとセティエームはジブリールの前に周り前から抱き着いてきた


「苦しいよセティエーム」

「ごめーん」

ジブリールの頬にすり寄ってくるセティエームにクスクスと笑うシックスは優しくジブリールの頭を撫でた




「月が双つになるよ…」

「うん」

「それまでジブリールとはちょっとお別れや」


「シックス…嫌なこと思い出させないでよ…」


「仕方ないよセティエーム」


こうして3人でいられるのもあと少し


明後日には2人と離ればなれになる

そう思うと寂しさが心を掻き乱し、泣きそうになり鼻の奥がツンと痛んだ
泣いているのを隠すようにギュッとセティエームを抱き締め、首筋に顔を埋めた






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