おお振りBL小説
□茜色の約束(前編)
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「ねぇ…水谷?」
「ん?どうしたの栄口?」
今日は体調がさほど悪くなかったので、軽くだが部活に参加した。
そのため、こうして久々に水谷と一緒に帰っている。
「あのさぁ…オレ、疲れた…」
「えっ?」
「だから…疲れちゃった。体調崩してからメールとか返せてないじゃん?正直、返すのがめんどくさいって思う時があって… オレ、今のままじゃ水谷とちゃんと向き合う自信ない… だから…距離を置こう…」
水谷は無言になる…
「ゴメン…栄口、悪いけど…ちょっと一人になりたい…」
「…うん。」
オレらは今日はその場で別れた。多分、水谷は頭ん中が真っ白になってるんだろう…
オレは水谷のちゃんとした意見を聞くためにも待つことにした。
夜になって、オレがベッドに雑誌を読みながら寝転がっていると…
ブルルルル♪
水谷からだった…
"話しがしたいから、学校近くの公園まで来てもらえる?"
オレは"わかった"と返事を打ち、公園へと向かった。
公園に着くと、既に水谷はベンチ座って待っていた。
「ごめーん…待った?」
「そんなコトないよ…さっき着いたばっかだから。」
水谷はニコッと笑った。
しばらく沈黙が続いた。
そして、その沈黙を破ったのは水谷だった。
「あのさぁ栄口…実は、オレも若干気付いてた部分があって…」
「へ?」
「お前からメール返ってこないし、栄口は既にオレのコト…って考えちゃうコトがあって… はっきり言うと、今のオレにはお前を幸せにしてあげられる自信がないんだ… だから、距離を置くの…オレも同意するよ…」
水谷が言い終わって再び沈黙が走る。
そして水谷がまた沈黙を破った。
「べっ…別に終わりってわけじゃないもんなぁ… ちょっと休憩するだけだから…」
「…うん。」
そう話し終わると水谷は家に帰ってしまった。
時間も遅いからオレもその後すぐに家に戻った。