おお振りBL小説

□茜色の約束(後編)
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ある日、オレのクラスで古典の宿題を出された。
しかしオレには難しすぎる宿題だったため、図書室で古典が得意な栄口に教わることになった。
さすがに阿部や花井にも難しいらしくその日は3人で栄口に教わることになった。

「だから、"けり"が使われてるからここは…」

さすがオレの…じゃなかった… さすが栄口!
栄口のおかげで難無く宿題を終わらすコトができた。

その後は4人で部活に向かった。部活に向かってる途中、腕に微かだが痣があるのに気がついた。

どうしたのかとオレは疑問に思ったが、どこかにぶつけたんだろうと思いたいして気にせずにいた。
しかし、部活での着替えの時に栄口を見ると…痣は一つだけではなく数ヶ所にあることに気付いた。

オレはおかしいと思い尋ねてみた。
いくら距離を置いている身だとしてもそこは気になってしまう。

「栄口…その痣、どうしたの?」

「あっ、ホントだっ!ずいぶん痣あるなぁ… どしたんだ?」

田島も気になったのか脇から尋ねた。

「あっ、あぁこれ?この前階段でこけて… 知らない間に痣になってたんだぁ」

栄口はまるで今気付いたかのように答えた。でも、オレにはお見通しだった…栄口が嘘をついていることが…
嘘ついてる時の栄口ってキョロキョロと目が泳ぐから…

「そっかぁ!いやぁ…あんまり多いから心配になっちゃって。」

「ありがとう水谷。」

栄口はニコッとオレに微笑んだ。


やっぱり何かおかしいと思い、オレは部活帰りに巣山に一緒に帰ろうと誘った。
もちろん…栄口についての真相をつきとめるためだ。
栄口と同じクラスの巣山なら何かしら知ってるのではないかとオレの勘が働いた。

「なぁ巣山…最近の栄口について何か知らない?」

「……」

巣山が困った表情で黙り込む。

「もし…何か知ってるなら教えてくれないか?」

「いやぁ…実はオレもよくわからなくて… でも、最近の栄口…クラスの不良とつるむようになったんだよなぁ… 昼休みとかそいつらとよくどこかにいなくなったりしてる…」

「不良?栄口が?」

オレは驚いたように言った。
だって、栄口は不良とつるむような柄じゃないし… 何より栄口は不良のコト悪く言ってたし。

オレは疑問を抱いたので栄口の学校での行動を監視することにした。

「ありがとなっ、巣山」

「おうっ、あんま情報にならなくて悪かったな!それじゃ!」

その日帰ってからも頭の中は栄口のことでいっぱいになっていた。
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