おお振りBL小説
□茜色の約束(後編)
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後をつけていると体育館に着いた。
奴らはさらに体育館の地下へと向かった。
さすがに地下じゃ気付かないって…
とりあえず後をつけ、オレは地下の入口あたりから様子を伺うことにした。
「さっ、今日も頼むよ!」
何やら奴らのうちの一人が栄口に何かを強要してるみたいだ。
「……」
「ほらっ、さっさとしろよ!早くやらないと帰れないんだぜ?」
「わかった…」
すると栄口は不良のうちの一人の自身を舐め始めた。
…えっ?
オレは頭の中が真っ白になる。
そして、それと同時に怒りが昇り、我を忘れ地下室に乗り込んだ。
「何だよテメェ?」
「うるせぇ!栄口を離せよっ!」
オレは不良の顔をおもいっきり殴った。
しかし、相手は3人…
オレごときじゃ勝てるわけがなく、ボコボコにされた。
オレは気を失っていたらしく、気がつくと地下室にいた。
目の前には栄口…
「水谷…ゴメンね」
栄口はそう呟き泣き出した。
「何で…あんなコト… 何で…言ってくれないんだよ?」
「…ゴメン、ゴメン」
オレは理由を尋ねたが、栄口の口からはそれしか出なかった。
オレはその日病院に行くため、部活は休んだ。
病院から帰ってきてオレは部屋で雑誌を読んでいた。
プルルルル♪
栄口からのメールだった。
"今日はホントにゴメン… でも、もう大丈夫だから心配しないで…"
何が心配しないでだよ。
栄口の「心配しないで」っていう言葉は信用ならない。いつだってそうだ!
今回のコトもどうせ一人で抱え込んでたんだ… あんなコトにオレを巻き込みたくないとかそんなコトばっか考えてるんだ…
辛いなら辛いって言って相談してくれれば…
って…相談できないようにしたのは誰だよ… 栄口をここまで追い詰めたのは誰だよ… オレは自分を責めた。
やっぱ…栄口って一人にしておいちゃダメなんだなぁ… 心配でたまんないや。
だから…
"栄口はオレが守る。"
オレは栄口にその一文だけを返信した。