おお振りBL小説
□茜色の約束(後編)
5ページ/8ページ
次の日、土曜日だったので部活は午後からだった。
もちろん、そこには栄口の姿もあった。
栄口はいつもと変わらずに練習をこなしていった。
辛いくせに…すぐに隠すんだもん…
栄口らしいといえばらしいけど…
オレは部活の帰りに栄口に一緒に帰ろうと誘った。
栄口はすこし躊躇ったが、承諾してくれた。
「栄口と一緒に帰ったりすんのも久々だよなぁ?」
「う…うん、そうだねっ!」
栄口はニコッと微笑んだ。
「栄口さぁ…何であんなコトになっ…」
「大丈夫だって!」
オレが言い終わる前に栄口は大声で言った。
「ゴ、ゴメン… ホントに水谷は心配しなくても…」
オレは無意識のうちに栄口の唇を奪っていた。
「栄口はそうやってすぐに抱え込むんだ!あんなことされてて黙ってるわけにはいかねぇだろっ!それに…」
「だから、あれは……ゲームだったんだ!ほらっ、王様ゲームってや……」
オレは栄口の唇をまた奪う。
「オレの話を最後まで聞けって!オレはお前の辛い姿を見たくないんだ… 明るく振る舞ってるように見えるけど、オレにはバレバレなんだからな。無理はするなって!栄口はオレが守るから… もう一人にはしないよ。」
栄口の目からは涙が溢れていた。
「…水谷…オレ、資格ない…ヒクッ 水谷と元に戻り資格が…ないんだ…ヒクッ」
何をわからないコト言ってるんだろうと思った。ペンダントだってちゃんと……って…
このペンダントってオレが預けたやつと違う…
「栄口…このペンダントって…」
オレは頭ん中が真っ白になった。
栄口ってオレを待ってたんじゃないの?
そんなネガティブな考えが脳内を駆け巡っていた。すると栄口が口を開く。