□涙血
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「捕まえた」


意外と早くに捕まった。

凄い力で床に押し倒されて上に馬乗りになった彼の口元には笑みが張り付いていた。

嬉しそうにコロコロ笑っている。


「あんな男の所に行った姉さんが悪いんだよ。」

「えっ?」

「悪い子には罰を」

「?」


いつの間にか私は首を絞められていた。

彼は幸せそうだった。


「ぐ……」

「苦しい?ねぇ、苦しいの姉さん」

「うっ……あっか」

「あぁ姉さんのその苦しむ声だけで僕……イきそうだよ」

「ふっん!」


霞んだ視界にしっかりとそれが見えた。

大きく量を増して先走りしている。

たまに白い液体を私の腹に垂らしている。

こんなのでイクなんてお客さん初めてだ。


「アハハ姉さん。もっと、もっとぉ!!」

「あがっ!」


思わず彼の手を引っかいてしまった。

それと同時に首に有り得な力が加わる。



ドピュッ



胸辺りに生温い液体がかかる。

だらし無く開いた口からは涎が垂れる。

それでも彼止めなかった。

酸素足りない頭で私はこのまま殺されてもいいかもと馬鹿な考えが浮いた。

なんでそんな考えを浮かべたのかわからない。

でもこの人になら殺されてもいいと思った。


「もっと鳴いて、苦しい声で鳴いてぇ……」

「……」

「アハハ。もう声出ないの姉さん?」


意識飛びそう。

私は彼が見えないからどんな顔で笑っているかなんてわからない。


「入れてあげるね」

「……はっ……」

「気持ちいいから」

「………くっ」


濡れてないのに入れないで

なんて言える訳無く。

痛みが走る。

彼が動く度に私の地獄への階段が近くなる。







数分で私は意識と命を手放した。








地獄に行きましょう!

狂った鬼の笑い声を導きとして。




end


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